こんにちは!
私は2年半にわたる妊活の末、2019年に息子を授かりましたが、その際、妊娠糖尿病の診断を受けました。
重度の妊娠悪阻に加えての「妊娠糖尿病」という診断にはショックを受けましたが、無事に出産を終え、産後は血糖値も正常になりました。
今日は私の経験した妊娠糖尿病について記録しておきます。
あなたの参考になりますように!
1.妊娠糖尿病について
①妊娠糖尿病とは
妊娠糖尿病とは、妊娠して初めて発見・診断された、糖尿病には至らない糖代謝異常※のことです。
※妊娠中の糖代謝異常には、大きく分けて3種類あります。
- 妊娠糖尿病 :妊娠中に発見または発症した糖尿病ほどではない、軽い糖代謝異常
- 明らかな糖尿病:妊娠前から未診断の糖尿病があったかもしれない、糖代謝異常
- 糖尿病合併妊娠:糖尿病と診断されていた人が妊娠した状態
妊娠後は、胎盤などから分泌されるホルモンにより、血糖を抑えるインスリンの効きが悪くなるために血糖値が上がります。
②診断基準
妊娠判明後に糖負荷試験をした際、空腹時血糖92mg/dL以上、1時間値180mg/dL以上、2時間値153mg/dL以上のいずれか1点以上を満たした場合に、妊娠糖尿病と診断されます。
③母体・胎児への影響
妊娠糖尿病になると、お母さん(母体)や赤ちゃん(胎児)への影響があります。
以下リスクがありますが、適切に治療すれば防ぐことができるとされています。
- 母体への影響:妊娠高血圧症候群、羊水量の異常、肩甲難産、網膜症、腎症など
- 胎児への影響:流産、形態異常、巨大児、心臓の肥大、低血糖、多血症、電解質異常、黄疸、胎児死亡など
④治療方法と経過
治療方法は2つあります。
- インスリン療法
- 食事療法
経過としては、厳格に血糖をコントロールすれば、合併症なく通常通り出産し、産後は血糖も正常化するケースがほとんど。
ただし、コントロールが不十分だと上述の母体・胎児への影響がある可能性があります。
また、妊娠糖尿病になった女性は、将来2型糖尿病を発症しやすい素因を持っていますので、産後も食事や運動に気をつけることが望ましいです。
2.【記録】高血糖値 判明の経緯
元々は「セミオープンシステム」制度を利用予定で、妊娠前期は自宅近くの産婦人科クリニックで妊婦健診を受け、後期は出産する大学病院で妊婦健診を受ける想定でした。
しかし、セミオープンシステム利用登録のために出産予定の病院で初回妊婦健診を受診した際、血液検査にて血糖値が高いことがわかりました。
その後、「糖負荷試験」を受けて正式に妊娠糖尿病との診断が付いたため、全ての妊婦健診と糖尿病内科を出産予定の大学病院(昭和大学江東豊洲病院)で受診することになりました。(セミオープンシステムは利用不可)
3.【記録】糖負荷試験
妊娠糖尿病診断の際に受けた「糖負荷試験」は以下のような流れで行い、糖を摂取した際の血糖が上下する様子を測定します。
糖負荷試験の流れ
- 空腹時の血糖値を測る。
- 甘いサイダー(ブドウ糖)を飲む。
- 糖摂取から30分後、1時間後の血糖値を測り、体内での血糖値の数値の変化を測定。
健康な状態の時なら「なんてことのない検査」ですが、とにかく何をやっても吐いてしまう状況下では、大変辛い地獄のような検査でした。
まず甘いサイダーを吐かずに飲み切るのが辛い。
検査のためには検査終了まで吐いてはいけないので、吐きそうになるのを堪えながらチビチビ飲む。(本来は一気に飲むことが望ましいそうです。)
飲んだものを吐かないよう、ひたすら意識を遠くに飛ばして耐える。
血を抜く。
吐かないように耐える。
血を抜く。
そんな感じでした…。
一度は嘔吐がひどくて日程変更しましたが、二度目の検査日にやっとのことで受検しました。
4.【記録】糖尿病内科
糖尿病の治療は産婦人科とは別に「糖尿病内科」を受診する必要がありました。
糖尿病内科は特定の曜日に受診が必要だったため、妊婦健診も同じ曜日に受診予約しました。
そのあたりの連携はいつもスムーズだったので、ストレスなく受診できました。
最初の糖尿病内科の受診で、血糖値を自分で測定するやり方を習い、器械一式の貸し出しを受けました。
その後も、糖尿病内科と妊婦健診がある時は必ず採血があり、血糖値のチェックがあります。
たぶん普通の妊婦健診だったら毎回採血はしないのだと思いますが、とにかくほとんど毎回採血していました。
5.【記録】妊娠悪阻と妊娠糖尿病
私は妊娠悪阻が重く、個人的にはその際の生活が妊娠糖尿病に関係しているのではないか、と考えています。
妊娠悪阻で食事ができない&嘔吐という状況の中で、脱水症状を防ぐためにポカリスエットや経口補水液、inゼリーだけを摂取(そして嘔吐)していた時期があり、個人的にはこの【脱水状態+糖のみの摂取】という状況が妊娠糖尿病に影響してしまったのではないかと想像しています。
なぜなら、甘い飲み物の摂取で血糖値が上がることは想像に難くないと思いますが、泣いたり嘔吐して体内の水分量が減ることでも血糖値は高くなるからです。(後段の「血糖値測定を続けてわかったこと」参照)
しかし医師の話では「食事が原因ではなく、なる時はなる」ということでしたし、「あの状況下では仕方がなかった」とも思っています。
相関関係はわかりませんが…とにかく妊娠悪阻と妊娠糖尿病は相性が悪い!
血糖値に気をつけるのであればハイカロリージュースやゼリーではなく、食物繊維の豊富な固形の食事を摂るのが望ましいですが、つわりがひどくてそれができないわけです。
吐き気がひどくて食事が取れないので介護用のハイカロリージュースで栄養を摂っていましたが、飲み物は血糖値を急上昇させてしまうと言われたため、できるだけゆっくり少しずつ飲むようにしました。
つわりが落ち着いた妊娠後期からは、炭水化物を控える、野菜や肉・魚を先に食べる、糖分を控える、など気をつけました。
6.【記録】自己採血(自己血糖測定)
糖尿病内科の先生の指示で、血糖値測定器で1日5回ほど自分で血糖値を測定する必要がありました。
血糖値を測定し、専用のノートに書き留めます。
血糖値が高い時は食べた物をノートにメモ、嘔吐などもメモします。
血糖値測定器は液晶の付いた専用の器械で、それと一緒に、採血用のペン型器具(穿刺器具)、専用の針※使い捨て、専用のセンサーシート※使い捨てがあります。
①血糖値測定のやり方
- センサーチップを血糖値測定器に差す。
- 針を穿刺器具にセットし、ボタンを押して指の腹に針をプシュっと刺す(血液が1滴出ればOK)。
- 指に出た血を血糖測定器に付けたセンサーチップに吸わせる。
- 血糖値が表示される。
- 使用済みの針をペットボトルなどに溜め、病院へ持って行き廃棄してもらう。
細い針を指先に刺すだけなので、痛みは「チクッ」程度なのですが、慣れるまでは結構怖かったです。
怖くて上手く針を刺せず、血が上手く出せなくて、別の指でやり直す、ということもありました…。
しかし数回やっているうちに慣れてきて、難なく一回で上手く採血できるようになりました!
針を刺すことへの怖さも無くなります!
産後は血糖値測定の頻度は下げてもらえましたが、これを産後1ヶ月くらいまで続けました。
②血糖値測定を続けて分かったこと
血糖値を測り続けて分かったことですが、泣いたり嘔吐したりした翌日は血糖値が高くなります。
医学的なことは不明ですが、体内の水分が減って血中の糖分の濃度が高くなるのではないかと推測しています。
また、炭水化物を食べた後は、本当に顕著に血糖値が上昇します。
米を食べた後に上がりやすい人、小麦粉を食べると上がりやすい人、など個人差があるようですが、私は米も小麦粉も血糖値がかなり上昇しました。
つわりが落ち着いた妊娠後期、(本当は良くないと思いつつ…)夫とラーメンを食べに行ったことがありました。
食後に二人で血糖値を測定してみると、二人とも血糖値は上昇しているものの、やはり私の血糖値のほうが随分と高い。「これが妊娠糖尿病なんだ…!」と妙に納得しました。
7.産後・妊娠糖尿病からの「学び」
産後1ヶ月後に血液検査をし、糖尿病状態が治っていることが確認され、無事に私の血糖値測定生活が終わりました。
妊娠時限定の糖尿病とはいえ、恐らく糖尿病傾向は強いので、年に一度は健康診断などで血液検査をするようにと指示がありました。
妊娠糖尿病の経験から、産後も血糖値のことはかなり意識するようになりました。
血糖値の話はそれまでも耳にしたことはありましたが、何しろ「血糖値」は目に見えないから実感が湧かない。
それが、実際に「血糖値」を見る暮らしを半年以上したことで、血糖値の上昇や降下について、かなり実感を伴うような感覚に変わりました。
これは、もしかしたら長い目で見れば良い経験になったのかもしれないと思っています。
例えば、食後に血糖値が上がると眠くなるので、昼食は炭水化物を減らすようにしたところ、午後の仕事が随分とスムーズに進むようになりました。
また、「甘い飲み物」は急激に血糖値が上昇(=すなわち下降も急激)するため、身体に良くないと知り、自分も、そして子どもにも極力控えるようになりました。
子どもが癇癪を起こす場合、そこには血糖値の急降下が原因していると言われていますので、血糖値を急降下させないこと=血糖値を急上昇させないことを心がけ、血糖値が急上昇する甘い飲み物や甘い物の間食は控えるようにしています。
そのことだけが要因ではないでしょうが、息子は精神的に落ち着いており、2歳のイヤイヤ期や、魔の3歳児、4歳の壁といった時期でも、手に負えないような癇癪はほとんどありませんでした。
妊娠中の大きな負荷となった妊娠糖尿病でしたが、こうして振り返ると私にとって今へと続く学びになったと感じています。
この経験や学びがあなたの参考になりますように♪