2025年に都立豊島病院で次男を出産しました。
産後も少し落ち着いてきたので、豊島病院での出産についてレポートしたいと思います!
1.都立豊島病院について
概要
- 東京都立豊島病院は、東京都板橋区にある都立の総合病院。
- 昭和7年創設、平成11年に全面改築。ある程度古さは感じるものの、ボロボロといった感じではない。
- 東京都の「周産期連携病院」。ミドルリスクの妊産婦の搬送受け入れが24時間可能(例:妊娠高血圧や糖尿病合併妊娠、切迫流早産、子宮外妊娠など。ただし、出生時の児の状態について、35週、2,000グラムに達する見通しがある場合に限る。)
- 無痛分娩に24時間365日対応。(事前予約制)
- 完全母子同室。
- 未就学児は赤ちゃんとの面会不可(産科エリアに立ち入り不可)。小学生は窓越し面会可。中学生以上は産科エリア内の食堂にて面会可。※個室でも同様。
実績
週35〜37週、体重2,000g以上の症例を対象に、年間約600件の分娩を扱っており、令和6年度は597件の分娩実績(経膣455例、無痛分娩304例、帝王切開142例)。
分娩費用
- 正常分娩:約47万円~(入院期間6日程度)
- 無痛分娩:上記費用に加え10万円
- 帝王切開:約56万円~(入院期間約9日程度)
2.豊島病院に決めた理由
以下のような理由から、豊島病院に決めました。
- 自宅からバス/車で通院しやすい
- 周産期提携病院としてミドルリスクの出産までは請け負っており、比較的安心
- 総合病院
- 分娩実績多数
- 無痛分娩(和痛分娩)に24時間対応&実績多数
一人目が安産(破水から16時間、最後は吸引分娩でしたが…)だったので、「絶対にNICUのある病院がいい」という気持ちが減り、ある程度の安心感のある病院なら良いかなという気持ちでした。
提携の救急搬送先である日大板橋病院※が近くにあったことも安心感に。
(※母体救命対応型総合周産期母子医療センターに東京都から指定された都内6施設のうちの1つ。初めから日大病院で出産すれば一番安心なのですが、築50年以上経過しており流石に古くて躊躇。ただし、新病院建て替え計画があり、2032年には新築になるようです!)
一人目の時に妊娠糖尿病になり総合病院への通院が必要になったため、どうせ今回も妊娠糖尿病になるだろうと思い、総合病院である点は必須と考えていました。
無痛分娩については必須とは思っていませんでしたが、この5年間の動向や身近な人の出産話を聞く中で無痛分娩のリスクへの恐怖心は減り、退院後に長男もいる暮らしを思うと、「できるだけ産後に体力を温存するために、なるべく無痛分娩」という気持ちでした。
そして、無痛分娩をするからには24時間無痛分娩対応している&実績が多く安心な病院が良いと考えました。
3.妊娠の経過、妊婦検診の様子
当然なると思っていた妊娠糖尿病には今回はならずに済んでしまい、したがって産婦人科のみの通院でした。
外来担当医
妊婦健診は、毎回平均1時間は待ちました。
総合病院なので健診の担当医は基本的に毎回異なります。
4〜5名の先生に診てもらいましたが、たまたまかもしれませんが、ほとんどが女医さんでした。
女医さんは女医さんでも当然ながら一人ひとり個性があり、色々な方がいましたが、総じて皆さん良い先生でした!
(つわりの辛さに寄り添ってくれて愛想もよい感じの良い方!と思っていたらうっかり屋さんで薬の処方を忘れがちな先生。入室しても顔も上げてくれず無愛想な方…と思っていたら、エコーの説明は丁寧で実は感じの良い方。などなど)
妊娠の経過は順調だったので、妊婦検診も特別なことはなく毎回普通に過ぎました。
エコー写真
エコー写真は基本的に毎回くれます。(1〜3ショット程度)
一度いただけないことがあったので(診察室を出てから気付いた…)次の回からは「エコー写真いただけますか?」と毎回お願いしていましたが、「もちろん差し上げますよー!」と快く印刷してくれました。
ただし、院内撮影不可のルール上、エコー映像をスマホで撮影することはNGでした。
印刷してもらえるのは基本的に2Dエコーでしたが、1、2回は3D写真のこともありました。
(おまけ)食堂について
なお、私は昼前後の妊婦健診が多かったので、健診後には病院1階の食堂で昼食を食べることが多かったです。
座席も限られており、素敵な空間からは程遠い雰囲気ですが、味は美味しかったです。
病院の周りに飲食店も無いので食堂を利用することが多かったですが、妊婦健診に来て食堂を利用する人は少ないようで、私以外の妊婦は見かけたことがありません。笑
4.出産の経過、無痛分娩(和痛分娩※)
(※完全に痛みがなくなるわけではない、ということで豊島病院では「和痛分娩」という表現を使用。一般的な「無痛分娩」と同様。)
無痛分娩について
計画無痛分娩を希望する場合、豊島病院では、妊娠37週を過ぎた受診時の様子(子宮口の柔らかさ・開き具合など)を見て、数日後に分娩予定日を定めます。
そのため、「計画」といっても直前まで分娩日が決まりません。
てっきり早々に分娩予定日が決まるものだと思っていたのでこの点は驚きました。
※初産婦の場合には、麻酔を入れてしまうと、陣痛促進剤を使ってもお産の進みが遅くなり過ぎてしまうため、陣痛が来てからの無痛分娩(オンデマンド無痛分娩)がやや推奨されているようでした。
無痛分娩希望者は予め予約し、無痛分娩外来・麻酔科外来を受診する必要があります。
その際、麻酔科の担当医の方から渡された説明資料に「夜間や休日に陣痛が来た場合には無痛分娩に対応できない」とあり、「あれ?24時間365日対応では?」と思って婦人科の担当医・助産師さんに確認すると、「24時間365日対応」とのこと。。
麻酔科医常駐なるも、休日や夜間は麻酔科医が1名ですぐに対応できない可能性があるため、麻酔科としては予防線を張りたい感じなのかな、と思いました。
出産の経過
私の場合、妊娠38週の健診で「まだまだだねー。来週診察してから分娩予定日を決めましょう」と言われていました。
が、その2日後から夜間に下腹部に鈍痛があり、3日後の深夜に再び下腹部痛。前駆陣痛かな?と思いつつ時間を図っていると規則的に短くなってくるじゃありませんか…!
そのうち破水した気配(あ、液体が出てきた…という感じ)があったので匂いを確認すると生臭さがあったので、破水と判断して病院に連絡し、そのまま入院セットを持って病院に行きました。
早朝4時だったのですが、寝ていた長男も連れて夫の運転で病院へ行きました。
息子は未就学児のため産科エリアには入れず、病棟の入口前で夫と息子と別れました。
夜間だったので麻酔科の先生にすぐには来てもらえず&麻酔を開始すると出産の経過が遅くなるので調整された気配あり(!)で、結局ほぼ子宮口全開まで普通にかなり痛かったです。笑
最後のイキみの時にはようやく麻酔が効き、少し落ちつきを取り戻していきむことができました。
ところで、「いきみ逃し」についてはイメトレをしていったので今回はまぁまぁ上手に逃せたのですが(助産師さんに「上手ですよ〜!」と言われ、痛い中でも自己効力感バク上げ笑)、肝心の「いきみ方」はよく考えたらあんまりわかっておらず。足の方に向かって力を入れるといいようです!最後に助産師さんからそのアドバイスをもらったらスッと産まれてきてくれました!
(一人目のときは必死すぎて記憶がない…)
出産の瞬間の動画・写真撮影は不可。これは少し残念です。
赤ちゃんの最初のケア・測定などが終わって再び手元に来てからは撮影OKです。
おっぱいを吸わせてみたり、抱っこした後、赤ちゃんはコットに入り、分娩ベッドの横に。
そのまま分娩室で2時間ほど休息します。
12時前の出産だったため昼食に間に合うと言われ、少し落ち着いてからそのまま分娩ベッドで昼食を摂りました。
(12時過ぎの分娩だと昼食が出ないようです…)
バースプランなどは聞かれもしない感じですが、分娩室でめちゃくちゃ音楽を流している方(恐らくインド系の方。がインド系の音楽をかけていた)もいましたので、そのくらいは出来そうです。
が、こだわったことはあまり対応してもらえなそうな印象です。
5.先生、助産師さん
前項にも書いたとおり、外来担当医は若い女性医師が多かったです。
無痛分娩の担当医はベテランの男性医師です。
助産師さん(全員女性)は皆優しくて親身になってくれる方ばかりです。
産後入院中に出会う助産師さんの中にはかなり若くて頼りない方もいますが、出産のメインの立会いはベテランの方が付くようでした。
6.母子同室、病室、食事など
母子同室について
懸念していた「完全母子同室」ですが、経産婦で母乳がすぐ出始めたのでちょうど良かったです。
(どうせおっぱいが張って痛いのでこまめに授乳したほうが楽…)
そういうことでなければ、どうしても眠れなくて辛ければ新生児室に預かってもらうことも出来るようでした。
病室について
病室は、4人部屋(大部屋)、4人部屋(準個室)、個室 の3種類。
大部屋は、いわゆる病院の大部屋ですが、各ベッド横の収納は大きめです。
準個室は新たにできたカテゴリーで、大きめの家具で仕切られており、カーテン仕切りの通常の4人部屋よりもプライベート空間が確保されているというもの。(1日プラス2,000円)
大部屋と準個室にはシャワー・トイレは無いため、産科エリア内の共用シャワー・トイレを使用します。
シャワー室は2室あり、廊下のホワイトボードの希望時間にベッド番号を書く予約制。(1人1時間。ドライヤー混み)
2室は同じ形態のシャワー室と思いきや、1室は狭く1室は広いので、確認してから好みのほうを予約すると良いと思います。
私は知らずにたまたま広いほうを利用していましたが、広々していて良かったです。
個室
私は個室を希望していましたが、どうやら個室の数は相当少なく(恐らく2室しかなさそう)、3日は大部屋、ラスト2日のみ個室に入ることができました。
個室は収納も多く、部屋は広々としていてとても良かったです。室数が少ないことだけがネックですね。

個室のシャワーはトイレと繋がっていてカーテンで仕切るのでやや狭め。


テレビと冷蔵庫、DVDプレイヤーもあります。個室はテレビカード無しで利用できます。(大部屋はテレビカードが必要&DVDプレイヤー無し)

日当たりもよく、部屋からの眺望も良好でした!
大部屋はベッドの上で食事を取ることになりますが、個室は窓の横にテーブルセットがあるのでそちらで食事ができます。

私は物音などが気になってしまうタイプなので大部屋ではほとんど眠れませんでしたが、個室では授乳の合間にしっかり眠ることができて助かりました!
食事について
食事は、妊産婦向けの特別食(1食プラス500円)あり※。希望者は、出産当日を産後0日として、産後2日目から適用されます。
(※アレルギー非対応。私は一部食材に口腔アレルギーがありますが、アナフィラキシーを起こすようなものではなく、また、目視で避けられるため、強く希望して特別食にしました。)

通常食も味は美味しかったですが、産後には量が少なく、もの寂しい感じ。
一方、特別食は品数も多く、食器なども陶器に変わり、気分的にも格段に満足度が上がるのでおすすめです!
7.まとめ
目指すお産の姿にもよりますし、メリットデメリットありますが、以下のような点で満足しており、私は豊島病院で出産して良かったと思っています。
- 良心的な価格
- 無痛分娩に24時間365日対応(※ただし夜間休日は必ず対応してもらえるわけではない)
- やや古いが許容範囲
- 総合病院で安心感あり
- 妊産婦用の特別食があり、美味しい!
- 個室は快適(※ただし数が少ない)
あなたの参考になりますように!