1.布ナプキンとは
使い捨ての紙ナプキンに代わる、綿や麻などの布で出来たナプキン。
基本的には洗って繰り返し使う。天然素材のためかぶれにくい、生理痛緩和につながると言われている。
使い捨てタイプの布ナプキンもある。
(不要な布を一回切りのナプキンとして使用したり、コットン100%で出来た使い捨ての布ナプキンも売られている。)
2.なぜ使うのか。何が良いのか。
経皮吸収の話(経皮毒)
肌を通じた薬の浸透率などを表現する「経皮吸収率」というものがあり(医学的なもので、処方するステロイド薬の強さを決める際などに用いられる)、前腕(内側)と比較した際に陰部では42倍の吸収率とされています。
そんなデリケートな部位に、化学薬品(白くするための漂白剤など)を用いて作られた使い捨て紙ナプキンを当てておいていいのか?という話があります。
(皮膚を通じて悪い成分が吸収される懸念から「経皮毒」などとも言われています。)
天然素材の綿や麻などであればその心配を解消できます。
冷えの話(吸水ポリマー)
使い捨て紙ナプキンには経血を吸収するために「吸水ポリマー」が入っています。これば「冷えピタ」と同じ成分で、水分を吸収すると冷える性質があります。そのため、それを当てておくことで熱が奪われ、子宮の冷えにつながると言われています。それが生理痛につながっているとも。
布ナプキンであればその心配がありません。
3.私が布ナプキンを使い始めた理由
正直、上の理由(特に「経皮毒」などという話について)を鵜呑みにしたわけではありませんが、昔から生理痛がとても重かったので、「少しでも生理痛を緩和できるなら、とにかく何かアクションしてみよう」という気持ちで使い始めました。
大学受験の時は、生理が受験日に当たったらとても受験できないので低用量ピルを使って生理を調整したり(これはこれで体調が悪くなりましたが・・・)、会社員になってからは生理初日はベッドから起き上がれず会社を休んでいました。
生理痛がひどく、夜中に一人泣きながら悶え苦しんだことも。
婦人科に通院もしましたが特に原因もなく、生理期間中は毎日2回ずつ鎮痛剤を飲んでいました。
また、生理前のPMS(生理前症候群)もひどく、生理前はかなり精神的に不安定になるのでPMS用の薬も飲んだりしていました。
こんな状況を改善するために布ナプキンを使い始めることに決めました。
当時は「使い捨てナプキン+タンポン」ユーザーだった私にとって、布ナプキンというのは180度の大転換で、それなりに勇気のいることでした。
(それまでは経血の多い日にタンポンなしで過ごしたこともありませんでした…)
おりものシートも使い捨てのものを使用していたため、併せて、布製のおりものシートも使い始めました。
加えて、生理痛にカフェインが良くないことを知り、カフェインの摂取も控えました。
元々コーヒーは飲みませんが、お茶(緑茶、紅茶など)はよく飲んでいたため、黒豆茶・なたまめ茶・ルイボスティーなどノンカフェインの飲み物に変えました。
4.7年使ったレビュー、身体の変化
使い始めてから、早くも丸7年が経っていました。
初めは可愛いデザインの布ナプキンを買ったので、使うのも洗濯するのも気分が上がって楽しく、まず生理日に前向きになりました。
また、布ナプキンを手洗いするのは確かに手間ですが、自分の身体としっかり向き合っている気がして不思議な高揚感がありました。
身体のために「丁寧な暮らし」をしている、という自己効力感みたいなものを感じていたのだと思います。
お手入れは意外に簡単で、つけ置きをしておくだけで経血はほとんど取れてしまうので、思っていたほど大変でもありませんでした。
初めはデザインで選んでいた布ナプキンですが、今は汚れ落ちの良さ・乾きの良さ重視で選んでいます。
身体には以下のような変化がありました。
・生理痛が軽くなった
・生理中に便秘にならなくなった
・経血コントロールができるようになった→妊娠中/産後の尿もれトラブルなし
使い始めてすぐに変化があったわけではありませんが、少しずつ改善し、今は生理の日でも寝込むことはありません。
鎮痛剤を生理初日と2日目に1回ずつ飲む程度になっています。
カフェインを控えるなど他の対策を含めての総合的な結果だと思いますが、「身体にあっている」という感覚があり、使い捨てナプキンに戻そうと思ったことは一度もありません。
また、布ナプキンの場合汚れれば洗い物の量が増えるので「経血を我慢しよう」という気持ちが芽生え、「経血コントロール」が出来るようになりました。
もしかしたら使い捨てナプキンでも経血コントロールを意識されている方もいるのかもしれないのですが、私自身はタンポンユーザーだったので、それまでは全く意識したことがありませんでした。
そのため、最初のうちは「膣を締める」という感覚が全く掴めませんでしたが、徐々に膣を締める感覚がわかってきて、なるべく布ナプキンに経血を出さずにトイレで出すということができるようになりました。
経血量が多い日の夜でも、夜中に1・2回起きてトイレに行けば朝までナプキンを汚さずに過ごせるようになりました。
(生理中は眠りが浅いのか、夜中にも自然と起きられるようになりました・・・!)
結果的に、経血コントロールで膣を締めるトレーニングをしたことで、妊娠中や産後のマイナートラブルとして知られている「尿もれ」に悩まされることはありませんでした。
これは想定外のメリットだったと思っています。
5.お手入れ方法
〈用意するもの〉
・セスキ炭酸ソーダ
・つけ置き用のバケツ
〈洗い方〉
バケツに小さじ1杯のセスキ炭酸ソーダを入れ、30度以下の水を入れて溶かす。※
その中に布ナプキンを入れてつけ置きする。
2〜3時間で汚れが落ちてくるので、布ナプキンの中の経血が出なくなるまで中を押し出すように揉み洗い。
経血が出なくなったら、洗濯ネットに入れて洗濯機にかける。
※熱いお湯はたんぱく質を固める作用があるため、お湯で洗うと経血が落ちなくなります!
6.布ナプキンの種類と選び方
布ナプキンには形状と素材でいくつか種類があります。
〈形状〉
・一体型:単体で使用する羽つきの布ナプキンで、使い捨て紙ナプキンの感覚で使えます。
・ホルダー+吸収帯(ナプキン型/ハンカチ型):ホルダーに吸収帯を挟んで使用するタイプ。
吸収帯にも種類があり、羽なしナプキンの形をした吸収帯(複数の布を重ねて作られている)と、ハンカチのような四角い布を折りたたんで使用するタイプがあります。
〈素材〉
・コットン(綿)
・リネン(麻)
初めての方は一体型が簡単かとも思いますが、お手入れのしやすさ(汚れ落ち、乾きの良さ)を考えると、ホルダー+吸収帯(ハンカチ型)がおすすめです!
ハンカチ型は折りたたむので吸収力はありますが、開けば薄手なのでとても乾きが良いです。
また、コットン素材とリネン素材では、リネンのほうが短時間のつけ置きで汚れが浮き出ますし、きれいに経血が消えます。
ただ、リネンは肌触りがやや硬いので、経血の少ない日はコットン素材がおすすめです。
私も日常のおりものシートとしては一体型でコットン素材のものを使用しています。
7.おすすめの布ナプキンストア
私が実際に愛用している布ナプキンのオンラインストアを3つご紹介します。
いずれも特徴が異なりそれぞれの良さがあるので使い分けています。
(商品紹介には一部アフィリエイトリンクを使用しています)
コトリワークス
〈特徴〉
布ナプキンと関連グッズ、冷え解消グッズを扱っています。
オーガニックコットン、オーガニックリネン、ウール(16.3ミクロン極細ウール)が主。
ベビー、キッズ、メンズの取り扱いもあります。
上質でシンプルなデザイン。
価格はやや高め。
〈おすすめポイント〉
コトリワークスさんの布ナプキンはオーガニックリネンとオーガニックコットンで出来ており、リネンの汚れ落ちの良さがなんといっても素晴らしいです。
布ナプキンつけ置き用のフラットバケツ(野田ホーローとのコラボ商品。おしゃれ)や洗剤など関連商品を素材にこだわったオリジナル商品を生産販売されています。
生理中は主にこちらの布ナプキン(ホルダー+3つ折りプレーン(ハンカチ型)、ホルダー+4層替えナプ)を使用しています。
冷えとりアイテムのウール商品も非常に上質で着心地がとても良く、ショーツや腹巻きパンツや肌着などを幅広く愛用しています。
私の生活にとって欠かせないお店です!
↑公式サイト
Kotori works↑楽天公式ショップはこちら
また、息子のトイレとしてコトリワークスさんの「おまる」も使用しており、それについては▼こちらの記事に記載しています。
ジュランジェ
〈特徴〉
布ナプキンと関連グッズ、下着などを取り扱っています。
使い捨て布ナプキンに力を入れています。
コットンやシルクが主。女性らしくかわいいデザイン。
価格はやや低め。
〈おすすめポイント〉
かわいいデザインで気分が上がるので、布ナプキンデビューにおすすめです!
使い捨てタイプの布ナプキン(コットン100%の使い捨て吸収帯)も販売しており、今はこれが一押しのようです。
私は使ったことがなく今から使い捨てへの移行は考えていませんが、肌や身体に良いことをしたいけどお手入れが大変で躊躇されている方にはとても良い商品だと思います!
↑公式サイト
布ナプキン専門店ジュランジェ↑楽天公式ショップはこちら
レメディガーデン
〈特徴〉
布ナプキンと関連グッズ、ランジェリーなどを取り扱っています。
オーガニックコットンとシルク製品が主です。
草木染など染料にこだわった綺麗な色合いが特徴。大人の女性らしいデザイン。
価格は高め。
〈おすすめポイント〉
布ライナー(おりもの用)がおすすめです。
種類が多く、オーガニックコットンの草木染なので毎日心地よく使えます。
私も日々の布ライナーはレメディガーデンさんのものを使っています。
シルクのランジェリーに力を入れていて、少し高めの価格帯ですが大人の女性に似合うデザインになっています!
↑公式サイト
8.吸水ショーツについて思うこと
突然ですがここで、最近流行っている生理用品に「吸水ショーツ」についてお話ししたいと思います。
吸水ショーツとは、吸収帯の付いた防水ショーツで、ナプキンをしなくても経血をショーツ自体が吸収してくれるというもの。
生理をいかに快適に過ごすか、という観点・発想自体は非常に共感するところですが、いくつか懸念点があります。
生理について長年思い悩み、真剣に向き合ってきた者としての考えを記しますので、参考にしていただければと思います。
まず、吸収ショーツは経血が目立たないように濃い色合いのものが多いため、経血の色がわからず自分の健康状態を把握できません。(鮮血に近い赤なのか、暗褐色なのか等)
また、洗濯の際、経血が落ち切ったかわかりづらいため、清潔が保てるのか。衛生面が心配です。
加えて、吸水ショーツは経血が漏れないよう足の付根部分にゴムが入っているものがほとんどかと思いますが、これだとリンパや血の巡りが悪くなってしまいます。
以上3点のことから、吸水ショーツというものは個人的には使おうとは思えないのが正直なところです。
使用される場合には、上記のような点が懸念されるということを念頭に置いてケアをしていただけたら嬉しいです。
9.まとめ
〈布ナプキンを使った私自身の効果〉
・生理痛が軽くなった
・生理中に便秘にならなくなった
・経血コントロールができるようになった→妊娠中/産後の尿もれトラブルなし
〈お手入れ方法〉
小さじ1杯のセスキ炭酸ソーダにつけ置後、ネットに入れて洗濯機にかける
〈おすすめの布ナプキン〉
多い日:コトリワークスのホルダー+プレーン(ハンカチ型)(オーガニックリネン素材)
少ない日:ジュランジェのホルダー+プレーン(ハンカチ型)(コットンネル素材)、レメディガーデンのホルダー+プレーン(ハンカチ型)(コットンネル素材)
おりもの用:レメディガーデンの布ライナー(オーガニックコットンニット素材)
生理痛が重かった私が長年使用してきた布ナプキンについて書いてきましたが、いかがだったでしょうか。
あなたが布ナプキンを使ってみるハードルが少しでも下がっていたら嬉しいです!